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「選抜総選挙」は先行指数なのか

 日経平均株価やTOPIXのような株価指数は、先行指数と呼ばれ、景気変動よりも先に動くとされています。 他には、企業の先行き見通しの明るさを示す新規求人数や、どれほど積極的に設備投資が行われているかを示す新設住宅着工床面積などがあります。

 

 ところで、「選抜総選挙」は今のところ過去一年間の活躍によって順位を決めるもの、つまり遅行指数であるという解釈がなされることが多いようですが、実は先行指数的な性質の方が強いのではないかと感じています。

 金融市場の動きを予想するのに見逃せない要因として、「投資家の関心(もしくは市場の関心)」というキーワードがあります。 これは、金融市場がどのテーマに反応して動いているかということを表します。例えば2012年6月16日現在の場合は、欧州債務危機、ギリシャで行われる再選挙、ロンドンオリンピック、日米欧の金融政策などです。これに含まれない、例えば日本の債務残高のようなテーマは今のところは市場は「関心がない」ため、無いようなものとして扱われています。

 もちろん、市場の関心はいつほかのテーマに移るのかわからないため、いつ日本の債務残高に関心が集まり、日本国債の価格に影響を与え始めるのかはわかりません。

 投資家の関心が高まっているときには実力から大きくかい離した、「適切でない」価格形成がされることが多くあります。 このことに関しては、日本におけるバブル経済が典型的な例です。あの時代は、誰もが日本の株や土地に強い関心を持っていたことにより、異常に資金供給が増加したことで、あのように「理屈では説明できない、実力からはかけ離れた」価格での取引が行われていました。

 

 先日行われた第4回選抜総選挙において指原さんは4位という結果になりました。しかし、実はこのような「適切ではない」評価がなされてしまったのではないかと感じています。 すべての投資家がギリシャの動向に敏感になっているのと同様に、多くのメディアが指原の動向に敏感になっていることは、皆さんも感じていたことと思います。

 このような状態では、選抜総選挙においても適正な順位が付けられなくなるのではないかと考えています。指原自身に責任はなくても、周辺の期待の高まりによって祭り上げられてしまうわけです。

 

 しかし、指原が「4位の器」ではないと言いたいわけでは決してありません。 ここで、第4回選抜総選挙における篠田麻里子さんのコメントを引用させていただきます

「こんな素敵な順位をありがとうございます。温かさや、ありがたみを感じられるのは総選挙だからです。後輩に席を譲れと言う方もいるかもしれません。でも私は席を譲らないと上に上がれない子は、AKBで勝てないと思います。悔しい気持ちをぶつけて、潰すつもりできてください。私はいつでも待っています。そんな頼もしい後輩が出てきたら、私は笑顔で卒業したいと思います。この票数は来年への期待の数字だと思います」

 多くのファンの方は、「潰すつもりで来てください」のような、後輩たちへの挑発の言葉に注目しているようですが、僕は最後の「この票数は来年への期待の数字だと思います」に注目しました。 この言葉は、まさに篠田さんが「選抜総選挙は先行指数である」という認識を持っていることの表れではないでしょうか。

 選抜総選挙自体の知名度が大きく高まる中で、周囲の「思惑」というのも複雑になってきています。たくさんのマネーが流入し、規模や流動性が高まっていく過程で、選抜総選挙の先行指数としての有効性も高まっていくものだと考えます。

 

 指原の順位には、「今までの活躍を考えると4位」なのではなく、「一年後には4位の器になっているだろう」というファンたちの予想や期待が反映されているものであると解釈するべきだと思うのです。